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09.01.01:04 8/31 本領発揮! |
(お題についての詳細はこちらをご覧下さい)
お題:本領発揮!
・ル+次+五
・仕事前の3人
OKでしたら追記へどうぞ
一日ずれちゃったけど!www
「ちくしょう!」
分厚い本を机に叩きつけ、ルパンはがりがりと頭を掻く。
「…随分荒れてるな」
「焦ってもいい結果は出ぬぞ、ルパン」
横で煙草を吸っていた次元、そして静かに瞑想していた五右ェ門が見かねて声をかけると、ルパンはギロリとそちらを睨んだ。寝不足のせいか鋭いくせに淀んだ眼が2人を見つめてくる。
「どこかに隙があるはずなんだ、どこかに…!!」
そう呻くように言ってまた目の前に広げた図面と書類と本の山に埋もれるようにして戻っていく。
ルパンが次の仕事にと決めたのは、とある銀行が導入を決めたという『世界一安全な金庫』。中に収められたものが狙いなのではなく、今回は金庫そのものがターゲットだった。
『な~にが世界一安全だ! この俺様に開けられねぇ金庫なんかこの世にあるわけがねぇんだ!!』
プライドが高く自分の仕事に絶対の自信を持っているからこそ、この金庫の登場を『世界一の大泥棒』である自分への挑戦状だと受け取ったらしい。絶対に安全な金庫を開けること。それが今回の仕事だ。
金庫を設計・制作した会社へ入り込んでその図面を盗み出したまでは良かったものの、『世界一』自負するだけあって確かにこの金庫は図面の段階から完璧で、さすがのルパンでもまだ一分の隙も見つけることが出来ないでいた。
予告状の日時は明日深夜0時。それまでにこの金庫の弱点を見つけないとルパンは初めて予告をたがえてしまうことになる。
「あーもう!!」
バサバサと書類を散らしながら喚くルパンを見やりながら、2人は小さく苦笑する。
と、そのとき。
チャッチャラッチャ~チャ~チャチャ~♪
呑気な音をたててルパンの携帯が鳴りはじめた。手を伸ばしたルパンはディスプレイに表示された名前を見ることもなく通話ボタンを押し、投げやりな口調で喋り始める。
「はいはいこちらルパン、Anything 文句?」
『ルパ~ン♪』
携帯の通話口越しに聞こえてくるのは甘ったるい不二子の猫なで声。思わず顔を顰めた次元と五右ェ門だが、対照的にルパンの相好はデレッと崩れた。
「ふ~じこちゃ~ん! どったの?」
『あなた例の世界一安全な金庫のある銀行に予告状出したんですって?』
「そうよ?」
『丁度良かった、アタシ、あの中にある某国の首相が家宝にしてるブルーガーネット狙ってたの。貴方ならもちろん開けられるでしょう? だって世界一の大泥棒…ですものね?』
「もっちろんだぜ~! 見てろよあんな金庫ちょちょ~っと開けてやっからな!」
『まぁ嬉しい♪ じゃあ楽しみにしてるわね~』
それだけ告げると電話は一方的に切れる。相変わらず虫のいい女だ。そんなことを思って次元が溜息をついていると、ルパンが突然雄叫びを上げた。
「 っしゃぁああああ!!」
「何だ!?」
「…ついにおかしくなったか…」
猛然と設計図に向かい本を捲り始めるルパンに唖然とする次元と五右ェ門だが、ルパンのほうは目を輝かせながら机に向かっている。
「この俺様に開けられねぇ金庫なんかあるもんか! 見てろ、そのバージン俺様が頂いてやるかんな!」
女が絡むと俄然やる気になるのもプライドを擽られると弱いのも、ルパンの長所であり短所であるが。
「…とりあえず本領発揮、というところか」
「だな」
机に向かうルパンの背中を見ながら2人は顔を見合わせて笑った。明日は忙しくなりそうだ。
スイッチが入ったルパン様は誰にも止められません、きっと。
また一日ずれちゃった;;
最後まで読んで下さってありがとうございました!!!
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