11.16.01:54 [PR] |
08.06.00:00 8/6 ジャンケン |
365日のお題【8/6】です。
(お題についての詳細はこちらをご覧下さい)
お題:ジャンケン
・ル次
・素直じゃない拙宅次元さんのせいでいつになく長めです…
・甘い…はず←
OKでしたら追記へどうぞ
「次元ちゃん、俺とジャンケンしない?」
仕事も差し迫っていなければ銭形が追いかけてくる気配もない、そんなうららかな昼下がり。よほど暇だったのか、それまでぼけーっとソファで惰眠を貪っていたルパンが、唐突にそんなことを言い始めた。
「はぁ?」
あまりに唐突だったから、読んでいた本をおろして思わず間の抜けた声で返事をする。
「…なんで。というかジャンケンなんかしてどうしようってんだ? 晩飯の買い出しでも賭けるのか?」
「そんなもんじゃないね、俺様とジャンケンして、負けた方が勝った方にちゅーするの」
「はぁああ???」
なぜか酷く楽しそうなルパンとは対照的に俺は困惑するばかりだ。
「ん? ちょっと待て、それって…」
「つまり、俺が勝ったら次元ちゃんが俺にちゅーをする。俺が負けたら俺が次元ちゃんにちゅーをする…」
「どっちにしろキスはするのかよ!」
思わず全力でツッコミを入れても無理はないだろうと思う。俺にキスを回避する選択肢は、ジャンケンをしないという方法を取る以外に用意されていないのだ。
「アホらしい。やるわけねぇだろが」
呆れたように言い捨てて再び本を戻すと、ルパンは俺の脇であからさまにしょんぼりした様子になる。
「えー」
「えーでもあーでもやらねぇもんはやらねぇ」
「ケチー減るもんじゃなしいいだろうがキスぐれぇ」
「減るもんじゃなけりゃいいと思ってんのかよ! おまえ女口説くときもんなこと言ってんのか!?」
「言うわけねぇだろ莫迦! レディ相手にそんなデリカシーのないこと言うわけねぇだろうが」
「莫迦はお前だ莫迦!! お前みたいなやつにデリカシーなんかあるもんか!」
「なんだとぉ!? キスのひとつも出来ねぇような男にデリカシーがねぇだの莫迦だの言われたくねぇや!」
「ぁあ!? なんだとぉ!?」
ひとしきり言い合って、ぜーはーと肩で息をする。その間にも睨みあったままだ。
「……そんなに言うんならやればいいんだろう? やれば!!」
「んふふふ~言ったな? 次元」
売り言葉に買い言葉。思わずそう言ってしまってから、俺ははたと気付いた。
「……てめ…謀ったな」
「これだから次元ちゃんって可愛いんだよなぁ♪」
髭のおっさんを捕まえて『可愛い』と豪語するこいつの思考回路はイカレていると思うが、今はそんなことを言っている場合ではない。が、こうなったらやけくそだ。
「やるんならさっさとやろうぜ」
「…それ凄い誘い文句よ?」
「やかましい! いくぞ!」
最初はグー、とおなじみの掛け声をかけて。
『ジャンケン、ポン!』
俺が出したのはチョキ。そしてルパンは。
「やった! 俺様の勝ち~♪」
握りこぶしを掲げてガッツポーズをしてみせるルパンに、俺は奈落の底に突き落とされた気分でいた。負けたほうが勝った方に。俺からキスをするだと…? 考えただけでめまいがする。
「…くそっ!」
「さぁ次元ちゃん約束よ?」
「…ぁあもう! やればいいんだろやれば!」
「色気もムードもまるでねぇなぁ」
「うるせぇ、俺に色気なんか求めるな気色悪い」
改めて向かい合わせになると、気恥ずかしさしか出てこない。じっと見つめられていたたまれなくて、俺はふいと視線を外す。
「…ムード言うくらいなら、目ぐらいつぶれよ莫迦」
「それじゃお前の顔見えねぇじゃねぇか」
言いながらも、ルパンは素直に目を閉じる。その肩に手を回し、バクバクと鳴る心臓を何とか鎮めながらゆっくりと唇を寄せた。嗅ぎなれた独特の煙草の香り。柔らかいそれに自分の唇を押し付け、そしてすぐに離れようとしたがルパンの腕に阻まれてしまう。
「…もう、終わり?」
「…うるせぇ」
顔が熱い。赤い顔を見られるのが嫌で俯けば、耳元でルパンがくすくすと笑うのが聞こえた。
お誕生日を迎えられたH様に捧ぐ!
お誕生日おめでとうございます!!!
リクエスト通り甘め?ル次になったかしら(;^_^Aと思いつつ、どうも素直にいかない次元さんのおかげで振り回されっぱなしです(笑)
最後まで読んで下さってありがとうございました!!
(お題についての詳細はこちらをご覧下さい)
お題:ジャンケン
・ル次
・素直じゃない拙宅次元さんのせいでいつになく長めです…
・甘い…はず←
OKでしたら追記へどうぞ
「次元ちゃん、俺とジャンケンしない?」
仕事も差し迫っていなければ銭形が追いかけてくる気配もない、そんなうららかな昼下がり。よほど暇だったのか、それまでぼけーっとソファで惰眠を貪っていたルパンが、唐突にそんなことを言い始めた。
「はぁ?」
あまりに唐突だったから、読んでいた本をおろして思わず間の抜けた声で返事をする。
「…なんで。というかジャンケンなんかしてどうしようってんだ? 晩飯の買い出しでも賭けるのか?」
「そんなもんじゃないね、俺様とジャンケンして、負けた方が勝った方にちゅーするの」
「はぁああ???」
なぜか酷く楽しそうなルパンとは対照的に俺は困惑するばかりだ。
「ん? ちょっと待て、それって…」
「つまり、俺が勝ったら次元ちゃんが俺にちゅーをする。俺が負けたら俺が次元ちゃんにちゅーをする…」
「どっちにしろキスはするのかよ!」
思わず全力でツッコミを入れても無理はないだろうと思う。俺にキスを回避する選択肢は、ジャンケンをしないという方法を取る以外に用意されていないのだ。
「アホらしい。やるわけねぇだろが」
呆れたように言い捨てて再び本を戻すと、ルパンは俺の脇であからさまにしょんぼりした様子になる。
「えー」
「えーでもあーでもやらねぇもんはやらねぇ」
「ケチー減るもんじゃなしいいだろうがキスぐれぇ」
「減るもんじゃなけりゃいいと思ってんのかよ! おまえ女口説くときもんなこと言ってんのか!?」
「言うわけねぇだろ莫迦! レディ相手にそんなデリカシーのないこと言うわけねぇだろうが」
「莫迦はお前だ莫迦!! お前みたいなやつにデリカシーなんかあるもんか!」
「なんだとぉ!? キスのひとつも出来ねぇような男にデリカシーがねぇだの莫迦だの言われたくねぇや!」
「ぁあ!? なんだとぉ!?」
ひとしきり言い合って、ぜーはーと肩で息をする。その間にも睨みあったままだ。
「……そんなに言うんならやればいいんだろう? やれば!!」
「んふふふ~言ったな? 次元」
売り言葉に買い言葉。思わずそう言ってしまってから、俺ははたと気付いた。
「……てめ…謀ったな」
「これだから次元ちゃんって可愛いんだよなぁ♪」
髭のおっさんを捕まえて『可愛い』と豪語するこいつの思考回路はイカレていると思うが、今はそんなことを言っている場合ではない。が、こうなったらやけくそだ。
「やるんならさっさとやろうぜ」
「…それ凄い誘い文句よ?」
「やかましい! いくぞ!」
最初はグー、とおなじみの掛け声をかけて。
『ジャンケン、ポン!』
俺が出したのはチョキ。そしてルパンは。
「やった! 俺様の勝ち~♪」
握りこぶしを掲げてガッツポーズをしてみせるルパンに、俺は奈落の底に突き落とされた気分でいた。負けたほうが勝った方に。俺からキスをするだと…? 考えただけでめまいがする。
「…くそっ!」
「さぁ次元ちゃん約束よ?」
「…ぁあもう! やればいいんだろやれば!」
「色気もムードもまるでねぇなぁ」
「うるせぇ、俺に色気なんか求めるな気色悪い」
改めて向かい合わせになると、気恥ずかしさしか出てこない。じっと見つめられていたたまれなくて、俺はふいと視線を外す。
「…ムード言うくらいなら、目ぐらいつぶれよ莫迦」
「それじゃお前の顔見えねぇじゃねぇか」
言いながらも、ルパンは素直に目を閉じる。その肩に手を回し、バクバクと鳴る心臓を何とか鎮めながらゆっくりと唇を寄せた。嗅ぎなれた独特の煙草の香り。柔らかいそれに自分の唇を押し付け、そしてすぐに離れようとしたがルパンの腕に阻まれてしまう。
「…もう、終わり?」
「…うるせぇ」
顔が熱い。赤い顔を見られるのが嫌で俯けば、耳元でルパンがくすくすと笑うのが聞こえた。
お誕生日を迎えられたH様に捧ぐ!
お誕生日おめでとうございます!!!
リクエスト通り甘め?ル次になったかしら(;^_^Aと思いつつ、どうも素直にいかない次元さんのおかげで振り回されっぱなしです(笑)
最後まで読んで下さってありがとうございました!!
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