11.16.11:52 [PR] |
08.09.00:00 8/9 蒸し暑い |
365日のお題【8/9】です。
(お題についての詳細はこちらをご覧下さい)
お題:蒸し暑い
・ファミリー+銭形警部
・どたばた
・地球温暖化の原因はあの人でした
OKでしたら追記へどうぞ
照りつける太陽をアスファルトが反射して体感温度は実際よりも高く感じる。数十分ほど前に中途半端に降った夕立のせいで湿度はべらぼうに高く、こうなってくると『焼ける』というよりはまさに『蒸される』といった方が表現としては正しかった。もはや『蒸し暑い』の一言で収まる話ではない。
気温33℃、湿度70%、不快指数は85。これはほぼ100%の人が"不快だ"と感じる数値である。
「…まさに不快だな」
「仕方ないでしょ~車これしかないんだから」
エアコンの故障したフィアットに大の大人が4人押し込められ、町の中を疾走する。窓は開いているがそこから入り込む風など気休めにもならない。ただ車に乗っているだけで汗だくになるというのもなかなかにない体験だとは思うが。
「ちょっと五右ェ門寄らないで。暑苦しいったらないわ」
「…む、すまぬ」
後部座席に座る不二子が窓際に寄りながら苦情を漏らす。言われた方の五右ェ門は困った顔をしながらも渋々反対側の窓際に寄る。
「ホント男が3人も寄ってると暑苦しいわ! 体感温度が3度ぐらい上がる気がするもの!」
「文句言うんなら降りろ!」
ハンドルを握る次元が、咥えた煙草の端を噛みながら苛々と叫び返す。この暑さでは煙草を吸う気にもならないのかその先に火はついていない。
「うるさいわね! 降りれるもんならとっくに降りてるわよ!」
「言ったな!? おめぇなんか俺が今すぐここで放り出してやる!」
「なんですってぇ!?」
暑さで苛々がピークに達しているのか、いつも以上に簡単に喧嘩を始める2人。今にもハンドルを放して後ろを振り向きかねない勢いの次元を、ルパンが慌てて助手席から諌める。
「ちょ、今はそれどころじゃないでしょ!?」
確かに今はそれどころではなかった。スピードを緩めることなく疾走するフィアットの後ろにはサイレンを鳴らしながら追いかけてくる十数台のパトカー。もちろんその先頭の車両にはおなじみの姿。
『ルパーン! 諦めて大人しく車を止めろ~!!』
拡声器から届く濁声はおなじみの銭形警部の声。
「ったくとっつぁんったら暑苦しいんだから…」
この暑さをものともしていない様子でパトカーの窓から身を乗り出しているのをミラー越しに見て、ルパンは呆れたように溜息をついた。
「あの声を聞くだけでまた体感温度が上がる気がするわ」
「…同感でござる」
「温暖化の原因は銭形のとっつぁんじゃねぇのか?」
げんなりとした様子の不二子、五右ェ門に次元も同調する。
「言えてるかもな。1年365日、うるう年のときなんか1年366日俺の逮捕に執念を燃やしてるんだもんな。燃やしすぎで二酸化炭素放出しすぎてるんだろ」
『ルパーン何をごちゃごちゃ言っとるか! 大人しく捕まればクーラーの効いた取調室でじっくり話を聞いてやるぞ!』
一瞬、フィアットのスピードが緩みかける。
「おい次元!」
「…悪ぃ、つい魔法の言葉に引き寄せられそうだった…」
もはや煮えくり返った頭では正常な思考回路は望めない。
「とにかく熱中症で倒れる前に逃げ切るぜ!」
『待てルパーン!!』
彼らの夏はまだ、終わらない。
それにしても今日は本当に暑かった…室内でもクラクラしてましたからねぇ
最後まで読んで下さってありがとうございました!!
(お題についての詳細はこちらをご覧下さい)
お題:蒸し暑い
・ファミリー+銭形警部
・どたばた
・地球温暖化の原因はあの人でした
OKでしたら追記へどうぞ
照りつける太陽をアスファルトが反射して体感温度は実際よりも高く感じる。数十分ほど前に中途半端に降った夕立のせいで湿度はべらぼうに高く、こうなってくると『焼ける』というよりはまさに『蒸される』といった方が表現としては正しかった。もはや『蒸し暑い』の一言で収まる話ではない。
気温33℃、湿度70%、不快指数は85。これはほぼ100%の人が"不快だ"と感じる数値である。
「…まさに不快だな」
「仕方ないでしょ~車これしかないんだから」
エアコンの故障したフィアットに大の大人が4人押し込められ、町の中を疾走する。窓は開いているがそこから入り込む風など気休めにもならない。ただ車に乗っているだけで汗だくになるというのもなかなかにない体験だとは思うが。
「ちょっと五右ェ門寄らないで。暑苦しいったらないわ」
「…む、すまぬ」
後部座席に座る不二子が窓際に寄りながら苦情を漏らす。言われた方の五右ェ門は困った顔をしながらも渋々反対側の窓際に寄る。
「ホント男が3人も寄ってると暑苦しいわ! 体感温度が3度ぐらい上がる気がするもの!」
「文句言うんなら降りろ!」
ハンドルを握る次元が、咥えた煙草の端を噛みながら苛々と叫び返す。この暑さでは煙草を吸う気にもならないのかその先に火はついていない。
「うるさいわね! 降りれるもんならとっくに降りてるわよ!」
「言ったな!? おめぇなんか俺が今すぐここで放り出してやる!」
「なんですってぇ!?」
暑さで苛々がピークに達しているのか、いつも以上に簡単に喧嘩を始める2人。今にもハンドルを放して後ろを振り向きかねない勢いの次元を、ルパンが慌てて助手席から諌める。
「ちょ、今はそれどころじゃないでしょ!?」
確かに今はそれどころではなかった。スピードを緩めることなく疾走するフィアットの後ろにはサイレンを鳴らしながら追いかけてくる十数台のパトカー。もちろんその先頭の車両にはおなじみの姿。
『ルパーン! 諦めて大人しく車を止めろ~!!』
拡声器から届く濁声はおなじみの銭形警部の声。
「ったくとっつぁんったら暑苦しいんだから…」
この暑さをものともしていない様子でパトカーの窓から身を乗り出しているのをミラー越しに見て、ルパンは呆れたように溜息をついた。
「あの声を聞くだけでまた体感温度が上がる気がするわ」
「…同感でござる」
「温暖化の原因は銭形のとっつぁんじゃねぇのか?」
げんなりとした様子の不二子、五右ェ門に次元も同調する。
「言えてるかもな。1年365日、うるう年のときなんか1年366日俺の逮捕に執念を燃やしてるんだもんな。燃やしすぎで二酸化炭素放出しすぎてるんだろ」
『ルパーン何をごちゃごちゃ言っとるか! 大人しく捕まればクーラーの効いた取調室でじっくり話を聞いてやるぞ!』
一瞬、フィアットのスピードが緩みかける。
「おい次元!」
「…悪ぃ、つい魔法の言葉に引き寄せられそうだった…」
もはや煮えくり返った頭では正常な思考回路は望めない。
「とにかく熱中症で倒れる前に逃げ切るぜ!」
『待てルパーン!!』
彼らの夏はまだ、終わらない。
それにしても今日は本当に暑かった…室内でもクラクラしてましたからねぇ
最後まで読んで下さってありがとうございました!!
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