11.15.22:04 [PR] |
09.29.04:15 9/28 君に託したもの |
(お題についての詳細はこちらをご覧下さい)
お題:君に託したもの
・ル次
・独白調
・帝国ジャリ設定ぽいのがちらりと
・短いです
それでもOKでしたら追記へどうぞ
流れゆくときの中で得たものもあれば、反対に置き忘れてきたものもある。夢だとか希望だとかそんな前向きな感情も、絶望だとか失望だとかそんな後ろ向きな感情も、時に得て時に忘れて流れていく。それが生きるということで、人間である以上どうしようもないものだと思う。
ふっ、と。幼い頃の自分の後姿を見た気がして振り返ってみるが、当然そこには何もない。
あの頃の自分には、今の自分はどう見えているのだろう? 閉じられた世界で過剰な期待とプレッシャーに押しつぶされそうになっていたあの頃の自分に、今の自由奔放な自分はどう見えているのだろう?
「どうした、寝ながら眉間に皺なんか寄せて」
「ん~? 別にぃ~」
人の気配に薄目を開ければ、ひょい、と顔を覗き込む髭面の男。そのきょとんとした顔がおかしく思えて少し笑う。
「なに人の顔見て笑ってンだ」
「何でもねぇよ」
はぐらかしてまた笑えば、男は憮然とした表情になって離れて行った。その背中を見送り、またゆっくりと目を閉じて物思いに耽る。
あの頃の自分は夢や希望を持っていたのだろうか。ふと思えばひとつも思い出せないことに愕然とする。なかったわけではないはずだが、思い出せない。
視界の隅に、そんな自分をくすくすと笑うあの頃の自分を見た。
見覚えのある幼い頃の自分が目の前にいることに酷く違和感を覚えたが、不思議と恐いとは思わなかった。
『後悔してるの?』
『いや?』
耳馴染みのない声に問われて即答する。
己の選んだ道に何時いかなるときも後悔はない。けれど、ふと、誰かにそれを肯定してもらいたくなるときがある。不安、なのだろうか。それすらもよくわからないが。
『じゃあ、俺の選択は間違ってなかったんだな』
『選択?』
『俺が選んで、未来の俺…つまりあんたに託したもの』
ゆっくりと幼い自分が示した先には、懐かしい少年の面影。
「…次元」
「何だ。呼んだか?」
目を開ければ再び覗き込んでくる男の顔。それはさっき夢の中で見た少年の面影を色濃く残していて。
「ん、なんでもねぇ」
「…さっきからなんなんだ。変な奴」
不機嫌そうに睨まれても、ルパンの口元には笑みが零れていた。
(ガキのやることなんてろくなもんがねぇけど…これだけは感謝しねぇとな、俺に)
全てを預けたいと思える相棒を選びそして託してくれた、昔の自分に。
「おいルパン?」
「ん」
呼ばれる自分の名前を聞きながら、ルパンはまたゆっくりと目を閉じた。
無理矢理感が否めなくてすみません;
最近ホントお題からネタが出てこなくて…
最後まで読んでくださってありがとうございました!!
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