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09.08.01:33 9/8 突き刺さる言葉 |
(お題についての詳細はこちらをご覧下さい)
お題:突き刺さる言葉
・ル次
・ファーコン設定シリアス風味
・馴初め話…かな…
・9/6~は続き物になります!!単発でも読めますがよければそちらからご覧下さい♪
それでもOKでしたら追記へどうぞ
次五を楽しみにしてる方いらっしゃったら申し訳ありません;;
『…お前を相棒にしたの…間違えたかなぁ』
自嘲とも非難とも取れるような不思議な笑みを浮かべて発された言葉。時が止まり空気が凍りつく。ざっと身体中の血の気が引く音が聞こえた気がした。
(なんと言った…?)
驚きのあまり真っ白になった頭では、放たれた言葉を反芻してみるもその言葉の意味が理解できない。
『オマエヲアイボウニシタノ、マチガエタカナァ』
まるで異国の言葉のようなそれは、意味を持たないくせに魔法の呪文のように次元の身体を凍りつかせる。芯まで冷え切った身体なのに自分の鼓動だけがやけに耳元で聞こえる。ぐらぐらと揺れる視界。息が苦しい。胃の底からこみ上げる気持ち悪さに小さく歯噛みする。
「…離せよ」
顔色ひとつ変えず次元を見上げるその瞳に、感情はない。それが本心なのかどうかすら分からない。そのビー玉のような眼を見ていたら胸倉を掴んだ手から力が抜けていた。衝撃で穴の空いた心からなすすべもなく零れ落ちるのは言葉にすらならないような黒い虚無感。
お前が俺を欲したんじゃなかったのか。『俺の傍らに居ろ』と言ったのはお前ではないのか。共に在ることを望んだのはお前ではないのか。お前が俺を…!
「…ぁあそうか」
投げつけてやりたい言葉は山ほどあったが、何故か口を開いて出てきたのはそんな諦めにも似た言葉だった。こんな時ですら文句のひとつも吐けないでいる自分に腹が立つ。ギリリと歯噛みすると、ルパンはそんな次元を見上げて小さく嗤った。
俺が要らないと言うのか。俺なんか天才ルパン三世のただの暇つぶしでしかなかったと言うのか。飽きれば捨てる、まるで子供のおもちゃのような存在。選ばれた自分を特別だと思い、そこに居れることに誇りすら持つようになっていた俺はなんだというのだ。ふざけんな、俺をなんだと思ってやがる。
再び浴びせそうになった罵倒は、しかし口を開いたところで吐息にしかならなかった。焼け付いたような喉は上手く言葉を発してはくれなかった。
「…じゃあ…好きにしろよ」
喉にひりつく声を無理矢理押し出して告げ、居たたまれなくなって部屋を後にした。背を向ける一瞬に視界の隅に入ったルパンの顔が、何故か泣きそうに見えたのは次元の気のせいだろうか。泣きたいのは、こっちのほうだ。
自室として割り当てられた部屋に飛び込み、そのまま壁にもたれて座り込む。
なぜこんなに混乱しているのだ。この憤りはプライドを傷つけられたからだろう。それは分かる。それならばなぜ。
心の奥底に巣食う、憤りよりも大きい哀しみはなんなのだ。
『お前を相棒にしたの間違えたかなぁ』
お前を信じてお前に続くことを選んだ自分を全否定して弄ぶようなその言葉が耳について離れない。
その言葉に感じるのが怒りでないことに動揺が隠せない。なぜこんなにも泣きたくて苦しくて哀しいのだ。心が引き裂かれるように痛むのだ。
「くそっ…」
床にたたきつけた拳がミシミシと軋んだ。
モノローグ次元さんバージョン。
実は今回の続き物はノンプロットで書いておりまして…(特に長編は結構きっちりプロット立てる派なので、かなりチャレンジ精神旺盛な感じになってますwww)
そのために話の齟齬が出ないかどうかの調整が非常に難しいところなんです…
話のつじつまあってないんじゃないの…?とかもしあったら、そっと教えてやってもらえると嬉しいです(つд`。)
最後まで読んで下さってありがとうございました!!
まだ続きます!!
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