11.15.15:53 [PR] |
07.16.01:36 Bad end |
なにやかにやのイライラから、やってはいけないことをやってしまったような気がします。
サイト裏にアップした方がいいのだろうとは思ったのですがいかんせん短い、そして時間が開くと多分確実に間違いなくお蔵入りになると思ったのでこちらでうpります。
後日消されてたりしても気にしないでください幻を見たとでも思っておいていただけたら←
●ル→→→→→→→→次 ぐらいのル次
●山も落ちも意味もありません
●ぬるいですががっつりやってますので苦手な人は注意。もちろん18禁
●病んでます。そしてちょっと痛い表現入りますのでそれが苦手な人も注意
●珍しく悲恋ですのでハッピーエンドがいい人も注意
大丈夫な人は追記へどうぞ
拍手ありがとうございます!
Bad end
柔らかいベッドに押し付けた身体に、背後から圧し掛かる。古い傷だらけの背中が、それでも必死に抵抗するのを長い手足を駆使してシーツに縫い留めながら、俺はまるで他人事のように見下ろしていた。
壁にかかった時計の秒針が時を刻む音。二人分の体重のかかるベッドの軋む音と、それに呼応するかのような衣擦れの音。食いしばった歯の間から漏れ出る苦しげな吐息は、俺がベッドに縫い付けた男のもの。行為の激しさを象徴するかのように部屋に響く濡れた音が、酷く卑猥に、そして、酷く痛々しく聞こえた。
枕に押し付けられた横顔は酷く悔しそうに歪められ、だが、全ての言葉を飲み込んだその唇は固く閉ざされたまま。もっとその顔が見たくて、手を伸ばして汗で張り付いた前髪を掻き上げてやると、男は固く目を閉じ更にぎゅっと唇を噛みしめる。噛み切った唇の端から、赤い血が白いシーツにぽたりと落ちた。
俺が憎い? それとも怖い? ねぇ、何か言ってくれよ。お願いだから。たとえそれが俺を非難する言葉でもいい。罵倒する言葉でもいい。拒絶する言葉でもいい。今はただ、お前の声が聞きたい。
薄暗い部屋に俺たちがつながるぐちぐちという卑猥な音が響く。俺が痛みを感じているぐらいなのだから、男がそれを感じていないはずはない。片方の手を前に回すと、当然の如く男のそこは萎えたまま。
「…っ!」
せめて少しでも快感を拾ってくれれば。そう思って萎えたままのそこを柔らかく扱くと、男が息を飲んだ。男の意志とは正反対であるだろうが、理性では御しれない本能には敵うはずがない。僅かに反応を示し始めたそれ。拾い始めた快感にそれでもなお男は頑なに声を上げようとはせず、微かな息遣いさえも漏らすのが悔しいのか、目の前のシーツに爪を立ててしがみ付き、固く目を閉じてそれをやり過ごそうとする。
そうやって今を耐えれば済むと思っているのだろう。どうせ俺の気まぐれなのだと。お前はきっとそう思っているのだろう。俺の思いはお前には届かない。分かり合えない。それならこうして身体をつなげるだけでいい。そう思って、決めたのは俺だ。だけど、苦しい。寂しい。俺を受け入れて。
男を愛撫するのとは反対の手を伸ばし、真新しい包帯の巻かれた男の二の腕を掴みあげた。さすがにその痛みには耐えきれなかったのだろう、男は背を跳ねさせ喉を反らして鋭い悲鳴を上げた。ジワリと白い包帯に赤いものが滲む。身体を倒して顔を寄せじゅるりとそれを舐めとると、男は喉の奥でくぐもった呻きを上げた。
お前は優しい。だから、自分が傷を負おうとも誰にも助けを求めないし、それを心配をする誰をも寄せ付けない。この俺ですらも。俺のことも信用せず、自分のことすらも信用せず、それでも何かを期待して惰性のように生きる。その期待に、俺はなれないのか? 俺では駄目なのか?
「次元っ…!」
理性では堪えきれない体液を流し始めた男を愛撫する手を早め、血の付いた唇を耳元に寄せ、名前を呼んだ。途端にびくんっと背が跳ね、俺の手をシーツを白い粘液が汚していく。枕に押し付けられた呻きは快感の名残か、それとも言葉にならなかった悔しさと罵倒の末路か。荒くなる息を必死で押さえつけようとする男の汗に濡れた髪を、そっと後ろから梳いた。
「じげん。じげん」
うなじに、肩に、背に、その古い傷に、そして新しい傷に、舌を這わせ、名前を呼ぶ。
お前が、愛しい。愛しくて、愛しくて、そして、狂おしい程に大切なのに、俺はお前を犯した。そうするしか方法がわからなかった。俺の愛を伝えるための。お前が大切なのだと伝えたいそれだけだったのに。だけどこれが俺たちの末路だ。この気持ちが届くことは一生ないだろう。身体を寄せ合うだけでもいいと思っていたのに、そうなればそうなっただけでもっと苦しくなる。
「じげん…じげん…ねぇ…」
僅かに背中を喘がせる男をベッドに押し付け、幼子のように馬鹿みたいに繰り返し名前を呼んでしがみつく俺を、次元が振り返ることは決してない。薄らと汗の浮いた背中の上にぽたりと俺の頬から伝い落ちたのは、汗か、それとも。
「じげん…」
愛してくれなんて言わない。愛しているとも言えない。そんな資格は俺にはない。こんなことをして言えるはずがない。それでも一つだけ、許されるのならばただ、一度でいい。一度でいいから。
もう抵抗する気力も体力もないのか、ぐたりとしたままの身体にしがみついて腰を振る俺は、今、最高に惨めだけれど。
「じげん…」
一度でいい。
俺の名前を呼んで。いつものように。俺の名を、呼んで。
たとえそれが最初で最後だったとしても。構わない。
せめてもの反撃のつもりなのだろうか。身体を支えるようにベッドについた手の甲に、伸ばされた男の手の爪が立てられる。
「次元…!」
その痛みに耐えながら俺は、届かない俺の愛を、愛しい男の背へと放った。
Fin.
♪悲鳴(こえ)を上げて名前を呼んで 一度だけでもそれが最後でも
誰にも傷がつかないようにとひとりでなんて踊らないで
イメージソングは鬼束ちひろさんの『私とワルツを』
やまなしおちなしいみなし。
悲恋が書きたかっただけです
お目汚し失礼しました。
サイト裏にアップした方がいいのだろうとは思ったのですがいかんせん短い、そして時間が開くと多分確実に間違いなくお蔵入りになると思ったのでこちらでうpります。
後日消されてたりしても気にしないでください幻を見たとでも思っておいていただけたら←
●ル→→→→→→→→次 ぐらいのル次
●山も落ちも意味もありません
●ぬるいですががっつりやってますので苦手な人は注意。もちろん18禁
●病んでます。そしてちょっと痛い表現入りますのでそれが苦手な人も注意
●珍しく悲恋ですのでハッピーエンドがいい人も注意
大丈夫な人は追記へどうぞ
拍手ありがとうございます!
Bad end
柔らかいベッドに押し付けた身体に、背後から圧し掛かる。古い傷だらけの背中が、それでも必死に抵抗するのを長い手足を駆使してシーツに縫い留めながら、俺はまるで他人事のように見下ろしていた。
壁にかかった時計の秒針が時を刻む音。二人分の体重のかかるベッドの軋む音と、それに呼応するかのような衣擦れの音。食いしばった歯の間から漏れ出る苦しげな吐息は、俺がベッドに縫い付けた男のもの。行為の激しさを象徴するかのように部屋に響く濡れた音が、酷く卑猥に、そして、酷く痛々しく聞こえた。
枕に押し付けられた横顔は酷く悔しそうに歪められ、だが、全ての言葉を飲み込んだその唇は固く閉ざされたまま。もっとその顔が見たくて、手を伸ばして汗で張り付いた前髪を掻き上げてやると、男は固く目を閉じ更にぎゅっと唇を噛みしめる。噛み切った唇の端から、赤い血が白いシーツにぽたりと落ちた。
俺が憎い? それとも怖い? ねぇ、何か言ってくれよ。お願いだから。たとえそれが俺を非難する言葉でもいい。罵倒する言葉でもいい。拒絶する言葉でもいい。今はただ、お前の声が聞きたい。
薄暗い部屋に俺たちがつながるぐちぐちという卑猥な音が響く。俺が痛みを感じているぐらいなのだから、男がそれを感じていないはずはない。片方の手を前に回すと、当然の如く男のそこは萎えたまま。
「…っ!」
せめて少しでも快感を拾ってくれれば。そう思って萎えたままのそこを柔らかく扱くと、男が息を飲んだ。男の意志とは正反対であるだろうが、理性では御しれない本能には敵うはずがない。僅かに反応を示し始めたそれ。拾い始めた快感にそれでもなお男は頑なに声を上げようとはせず、微かな息遣いさえも漏らすのが悔しいのか、目の前のシーツに爪を立ててしがみ付き、固く目を閉じてそれをやり過ごそうとする。
そうやって今を耐えれば済むと思っているのだろう。どうせ俺の気まぐれなのだと。お前はきっとそう思っているのだろう。俺の思いはお前には届かない。分かり合えない。それならこうして身体をつなげるだけでいい。そう思って、決めたのは俺だ。だけど、苦しい。寂しい。俺を受け入れて。
男を愛撫するのとは反対の手を伸ばし、真新しい包帯の巻かれた男の二の腕を掴みあげた。さすがにその痛みには耐えきれなかったのだろう、男は背を跳ねさせ喉を反らして鋭い悲鳴を上げた。ジワリと白い包帯に赤いものが滲む。身体を倒して顔を寄せじゅるりとそれを舐めとると、男は喉の奥でくぐもった呻きを上げた。
お前は優しい。だから、自分が傷を負おうとも誰にも助けを求めないし、それを心配をする誰をも寄せ付けない。この俺ですらも。俺のことも信用せず、自分のことすらも信用せず、それでも何かを期待して惰性のように生きる。その期待に、俺はなれないのか? 俺では駄目なのか?
「次元っ…!」
理性では堪えきれない体液を流し始めた男を愛撫する手を早め、血の付いた唇を耳元に寄せ、名前を呼んだ。途端にびくんっと背が跳ね、俺の手をシーツを白い粘液が汚していく。枕に押し付けられた呻きは快感の名残か、それとも言葉にならなかった悔しさと罵倒の末路か。荒くなる息を必死で押さえつけようとする男の汗に濡れた髪を、そっと後ろから梳いた。
「じげん。じげん」
うなじに、肩に、背に、その古い傷に、そして新しい傷に、舌を這わせ、名前を呼ぶ。
お前が、愛しい。愛しくて、愛しくて、そして、狂おしい程に大切なのに、俺はお前を犯した。そうするしか方法がわからなかった。俺の愛を伝えるための。お前が大切なのだと伝えたいそれだけだったのに。だけどこれが俺たちの末路だ。この気持ちが届くことは一生ないだろう。身体を寄せ合うだけでもいいと思っていたのに、そうなればそうなっただけでもっと苦しくなる。
「じげん…じげん…ねぇ…」
僅かに背中を喘がせる男をベッドに押し付け、幼子のように馬鹿みたいに繰り返し名前を呼んでしがみつく俺を、次元が振り返ることは決してない。薄らと汗の浮いた背中の上にぽたりと俺の頬から伝い落ちたのは、汗か、それとも。
「じげん…」
愛してくれなんて言わない。愛しているとも言えない。そんな資格は俺にはない。こんなことをして言えるはずがない。それでも一つだけ、許されるのならばただ、一度でいい。一度でいいから。
もう抵抗する気力も体力もないのか、ぐたりとしたままの身体にしがみついて腰を振る俺は、今、最高に惨めだけれど。
「じげん…」
一度でいい。
俺の名前を呼んで。いつものように。俺の名を、呼んで。
たとえそれが最初で最後だったとしても。構わない。
せめてもの反撃のつもりなのだろうか。身体を支えるようにベッドについた手の甲に、伸ばされた男の手の爪が立てられる。
「次元…!」
その痛みに耐えながら俺は、届かない俺の愛を、愛しい男の背へと放った。
Fin.
♪悲鳴(こえ)を上げて名前を呼んで 一度だけでもそれが最後でも
誰にも傷がつかないようにとひとりでなんて踊らないで
イメージソングは鬼束ちひろさんの『私とワルツを』
やまなしおちなしいみなし。
悲恋が書きたかっただけです
お目汚し失礼しました。
PR
- トラックバックURLはこちら