11.16.01:00 [PR] |
05.15.14:18 捧げ物 |
♪次五SSSですOKでしたら追記へどうぞ♪
すっげーお久しぶりしてしまいました!
拍手もいつもありがとうございます
またちゃんと後で日記書きに来ますー
Call you
「…五右ェ門ー」
背後から低い声が名前を呼ぶのが聞こえた。
さっきからアジト中にいい匂いが漂っていたから、きっと飯が出来たと呼びに来たのだと思う。
「おーい、ごえもーん」
微かに甘いその声は、きっと何か癒しの波長が出てるんじゃないかと思うほど耳に心地いい。その声が自分の名前を呼ぶことに、むず痒いような居心地の悪さと優越感。
「五右ェ門。ごーえーもーん。 おーい、ごえもーん? おい五右ェ門! 返事しろよ。聞こえてるんだろ?」
返事をしないのをいぶかしんだ声が、不思議そうに何度も何度も名前を呼びながら近寄ってくる。その声が心地よくて。もっと名前を呼んで欲しくて。気付いているのに気付かないフリで瞑想を続ける。
「おい五右ェ門、聞いてるのか?」
少し焦れたような声。肩を揺さぶられてようやく振り返った。
「ああ……何だ次元」
神妙な面持ちで。さも『今気付いた』というように見上てみれば、視線の先には酷く呆れたような次元の顔。
「お前…『何だ』ってことはねぇだろ。さっきから随分呼んでんのに」
「む。すまぬ」
まさか次元に名前を呼ばれたくて気付かないフリをしていたなんて言える訳がない。真面目な顔で謝ったものの、次元は怪訝な顔。そして、唐突に伸ばされた手で鼻の頭を抓まれた。
「ぶっ…何をする!」
突然のことに目を白黒させるが、次元はそんな様子を笑って見下ろすばかり。
「…何だ」
「お前ってホント…」
笑われるのは気に喰わない。憮然とした顔で次元を見上げるが、次元はそこで言葉を切りまた笑う。
「いや……やっぱ何でもねぇ」
あんなにしつこく名前を呼んでいたくせに。そして五右ェ門のことを笑ったくせに。何事もなかったかのように踵を返す。
「何なのだ! おい次元! 次元待て!!」
「何でもねぇって言ってるだろ!」
「人の顔を見て笑っておいて何でもないとは何だ! おい次元!!」
「うるせぇなぁ! ほら飯にするぞ!」
「話を逸らすな次元! おい次元!!」
そしてふと、今度は自分が次元の名を何度も呼んでいることに気付く。自分の名を呼ばれたときと同じくらいにあったかいのは何故だろう。
「おい次元!」
「うるせぇぞ五右ェ門!」
―――――――――――― 今日もまた、貴方を呼べる幸せ。
Fin.
Happy Birthday dear いったん!
勝手に送り付けですみません!
お目汚し失礼しました!!
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