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10.19.22:13 10/19 この気持ち、隠しきれない |
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お題:この気持ち、隠しきれない
・次五
・ぬる甘
・ルパン様には分かってるんだけどね
それでもOKでしたら追記へどうぞv
今月まだ365を4日分しかあげてないことに気づいて凹み中…せめて半分くらいはちゃんと更新したい…頑張る~(´;ω;`)
好きとか嫌いとか、仲間とか友情とか、愛とか恋とか。そんな"人間らしい"たくさんの感情は修行の邪魔になるだけと思って断ち切るのが何よりも正しいと信じてきて。でもそれがもしかしたら違うことなのかも知れないとふと疑問に思ったときに、己の進むべき道が見えなくなって分からなくなって立ち止まってしまった。幼い頃から叩き込まれてきたことが違ったのか。自分が信じてきた道は間違いだったのか。
途方にくれてどうしていいか分からなくなった時に、そっと手が伸びてきた。
「まぁいいんじゃねぇの? ゆっくり行こうぜ」
「気楽にやろうや」
寡黙なその手にそういわれたような気がして、妙に心が軽くなった。軽くなった心にすとんと入り込んできた感情は暖かくて穏やかで、とても居心地が良くて。この感情を今まで知らずにいたのかと思うと、ひどく損をしたような気分にもなった。
その居心地の良さに慣れなくて、不安を感じて感情を断ち切ろうとしてみることもあるけれど、知ってしまったからにはそれを捨てることなんて出来なくて、結局はここに舞い戻ってくるのだ。
そんな不安定な自分でさえも待っていてくれる場所があることがこんなにも居心地がいいだなんて。
「なぁ五右ェ門」
「なんだ? 次元」
車に揺られながらつらつらとそんなことを考えていると、突然、運転席に座っていた男に名前を呼ばれた。ルームミラー越しに視線をあわせれば、怪訝な顔がこちらを見ていた。
「お前、何ニヤニヤしてんださっきから」
指摘されて初めて。自分の顔がひどく緩んでいたことに気づいた。
「あ…」
一瞬呆けた後、なんとも言えない罰の悪さにふいと横を向いた。自分でも赤くなっているのが分かるが、ルームミラー越しとはいえ次元にも分かっているだろう。暑いからだと誤魔化すように後部座席の窓を開ければ、秋の冷たい風が勢いよく吹き込んできた。
「馬鹿、寒いだろうがなにしてんだよ」
次元の咥えた煙草の先から立ち上る紫煙が、風に乱れて流れる。甘い香りが微かに五右ェ門にも届いた。怒られた五右ェ門が渋々窓を閉めると、やれやれと大きく溜息をつく。
「…何だ、思い出し笑いか?」
「違うでしょ」
問いかけた次元の隣で、それまで黙って助手席に座っていたルパンがけらけらと笑った。
「あ?」
「多分ね、あれは幸せ笑いよ?」
「…は?」
意味が分からない、という声色の次元を横目にルパンはまたけらけらと笑った。
「な? 五右ェ門?」
「む…」
肯定とも否定とも取れない微妙な唸りをひとつ落としてむっすりと黙り込んだ五右ェ門。しかしその口元がほんの少しやっぱり緩んでいることにはルパンだけが気づいていた。
(ったく、初々しすぎて見てらんねぇや)
ルームミラーの向こうの照れたような不思議な顔の五右ェ門と、横で置いてけぼりにされて仏頂面になっている男を見比べて、ルパンは小さく笑った。
気づくとニヤついちゃってることってありませんか←
ゴエさんって特にそういうの隠すの下手そうという妄想。
最後まで読んで下さってありがとうございました!!
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