11.16.04:20 [PR] |
10.21.23:14 10/20 淋しさを覚えて |
(お題についての詳細はこちらをご覧下さい)
お題:淋しさを覚えて
・ル次
・静かさに淋しさを覚えちゃう次元さん
それでもOKでしたら追記へどうぞv
き、昨日のお題ですすみません…orz
下調べはルパンと五右ェ門に任せ、たまにはひとり留守番というのもいいものだ。煩い手間のかかる奴らが居なければ掃除も洗濯も捗るし、飯の心配をする必要もない。大体が毎日自分がそんなことまで面倒を見てやる必要はどこにもないのだが、ついつい手を出してしまう自分が恨めしいところではある。
秋空の下にはためく洗濯物を眺めながらやれやれと溜息をつく。やることは済んだのだ。窓際のソファに寝転がり惰眠でも貪ろうかと思って目を閉じる。
街から外れたところにあるアジトにはその喧騒も届かず、時折鳥の声が聞こえてくるくらい。ごみごみとした喧騒の中に居るのがお似合いだと思っていたこともあったが、知ってしまえばこんな静寂もたまには悪くないと思うものだ。だが、やっぱり自分が身を置くべきなのは向こう側なのかと思ったりもする。据えて淀んだ空気のダウンタウン。原色のネオンや雑音めいた喧騒。人間の薄汚い欲望が詰まった場所。
不意に少し冷たい秋風が開け放した窓から吹き込み、肌寒さに身震いして目を開けた。随分経ったかと思ったが、壁にかかった時計は先ほどとさほど変わらない時間を示していた。
捲くっていたシャツの袖を下ろし、背もたれにかけていたジャケットを羽織りなおす。暑いのももちろん嫌いだがだからと言って寒いのが好きなわけでもない。開け放していた窓を閉めれば、一層にしんとした静けさに包まれた。
ぼんやりとしているのも手持ち無沙汰で、ポケットから取り出した煙草に火をつけて深々と吸い込む。だがそのまま半分も吸わないうちに灰皿にその煙草をねじ込んだ。一瞬スッキリした頭もすぐになんともいえないモヤモヤに支配されて気持ち悪い。
ひとり気ままに酒でも飲むかとキッチンに足を運んでみるが、並んだ酒瓶に手は伸びず、なんとなくそのままリビングまで戻ってきてしまう。窓の外ではためく洗濯物を見ながら小さく舌打ちする。何をこんなに落ち着かないでいるというのだ。正体不明の不安感と焦燥感。自分でも訳がわからないから始末に終えない。再び取り出して火をつけた煙草は、やけに不味く感じられた。
と。
ブロロロロロロ…
アジトの外に聞き慣れたエンジン音。そしてそれが止まってものの数分もしないうちに今度はドタバタと賑やかな足音が響く。そして。
「じげ~ん! ただいま~~っ!!!」
バンッ! と勢いよくドアを開けてリビングに飛び込んできたルパンはそのままの勢いで、立ち尽くしていた次元に飛びついてきた。
「ぅわっ! てめ…なにしやがる!! 帰って来るなりうるせぇんだよ!」
慌てて火のついた煙草を掲げてルパンを追いやり、仏頂面で次元が唸る。
「んなつれないこと言わないでもいいじゃんよ? お前が淋しいんじゃねぇかと思ってすげー勢いで下調べ終わらせて帰って来たってのに! 淋しかったんだろ? なぁ!」
「うるせぇな少しは黙れよ。淋しいわけないだろうが、煩いのがいなくてせいせいしてたとこだ」
「またまた強がっちゃって~ねぇ次元ちゃんてば~」
「うるせぇ! だからベタベタくっついてくるんじゃねぇって!!」
猫のようにゴロゴロと纏わりついてくるルパンを引き剥がしながらも、次元はすとんと先ほどまでの不安感がなくなっているのに気づいていた。
(まさかホントに淋しかった…ってわけじゃねぇよな?)
自分でもよくわからないところが怖い。
ちらりと窓の外に視線をやればルパンに遅れて五右ェ門が帰って来るのも見えた。アジトはまた少し煩くなりそうである。
わいわいやるのがデフォルトになると、不意にひとりになるとすごく淋しいと思うんですよね。
常日頃一緒に居るのがルパン様なら尚のことだと思う。
お粗末様失礼しました!
最後まで読んで下さった方ありがとうございます!!
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