11.15.18:41 [PR] |
10.08.03:15 10/8 通じない思い |
(お題についての詳細はこちらをご覧下さい)
お題:通じない思い
・ル次
・ルパン様のモノローグ調
・超短いです
・病み気味です
それでもOKでしたら追記へどうぞv
「行ってくる」
冷たい声で告げて黒いジャケットを羽織る背中。その背中を見やり気づかれないように小さく溜息をついた。一度決めたら頑なにそれを貫き通そうとする男だ。意志が強いといえば聞こえはいいが、ただ単に頭が固いだけだとも思う。頭の固さを自分が非難できた義理ではないと思うが、それは時に男の弱点となることも確かだ。
「…どうしても行くんだな?」
「あぁ」
硬い声で問えば、同じ様な硬い声で短い答えが返ってくる。長年連れ添った相棒のシリンダーを確認し、しばらく手に馴染ませてから腰の後ろに押し込み、チラリとこちらを睨む。
「付いて、来るなよ」
「…分かってる」
喉元まで出かかった言葉を飲み込み、取り繕った白々しい贋物の言葉を吐き出す。身体の陰で握りしめた掌に爪が食い込んだ。
次元を呼び出したあの男がどんな男かは調べた。俺を餌にして次元を呼び出すような男が、はっきり言って次元の手を煩わすほどの男でないことは一目瞭然だ。もちろん次元がやられるような男であるとも思わない。だが、万が一ということがある。
「次元」
「何だ」
本当なら自分が出て行って始末をつけたいほどだ。だが、目の前の男は何よりもそれを嫌う。この男は。俺が傷つくことを何よりも嫌う。だからこそ俺に矛先が向く前に自分の手で始末をつけようとしている。全部、分かっている。
だからこそ、俺は『生きて帰る』と言うこいつを信じられない。俺が傷つかないためなら自分が傷つくことさえも厭わない男の白々しい言葉など信じることなど出来やしない。
いっそ、行くなと引き止めるために今ここで男に銃を突きつけたらどうなるだろう? 誰かに傷つけられるくらいなら、自分が傷つけてしまいたいとさえ思うこの思いはおそらく歪んでいるのだ。だがそれでもその思いを止めることは出来ない。
「何だ…?」
「……なんでもねぇ」
再び促されて、俺は小さくかぶりを振り唇を噛んだ。告げたところで届かないだろう思いを押し込めて。
好きすぎていっそのこと殺してしまいたいくらいだくらいの勢いも、ル次ならありだと思う。次五だとうーん…ってなるけども。
好きすぎてすれ違うとかいいよね。
このネタをベースに大幅に書き直して、オフ本に使おうかと画策中です。
もう10月も10日になろうとしていることに気づいて驚愕…やばいよこれ、〆切10月末とか言ってみんなで決めたのに(半笑いwww)
ははは、が、頑張る…よ?
最後まで読んでくださってありがとうございました!!!
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