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某泥棒三世を愛する管理人による日々語り。腐的内容を含むことがあるので、ご注意ください。
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11.15.19:00

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  • 11/15/19:00

07.21.00:27

7/18 足のサイズ

365日のお題【7/18】です。
(お題についての詳細はこちらをご覧下さい)

お題:足のサイズ

・次五風味ですが、全然ファミリーものとして読めると思います

OKでしたら追記へどうぞ
 




 あれは確か、五右ェ門が仲間に入ってしばらくしての仕事だったはずだ。

 それはとあるカジノの金庫に収められた黄金のルーレットなる代物を盗み出すという、またぞろルパンの好きそうな仕事。カジノという特殊な場所への潜入ということもあって、俺たちは三人ともそれぞれに変装をすることになった。
 ルパンはカジノのディーラーに。俺と五右ェ門はカジノの客という予定だ。

「…拙者、洋装は好かん」
「そんなこと言わずに頼むって五右ェ門!!」

 そんな押し問答が、かれこれ3時間近くは続いている。
 この古式ゆかしい日本侍は、ルパンの用意したタキシードが着たくないといって渋って、もとい、駄々をこねているのである。だがしかし、着物などという人目を惹く姿ではカジノ潜入などという仕事が出来るわけもなく。

「頼むって! な!?」

 ようやく半日がかりで侍を口説き落とし、潜入まであと1時間。機嫌の悪い侍にタキシードを着付けているときに事件は起こった。

「あ、」

 五右ェ門のネクタイを締めていたルパンが、突然叫んだ。

「…どうした?」

 同じ様にタキシードに着替え、髪を後ろで括っていた俺は怪訝な顔でルパンを見やる。と。

「やべぇ、五右ェ門の靴がねぇんだわ」

 確かに、足元に散らばった衣装の中に靴はない。こいつにしてはえらく初歩的なミスを犯したものである。当然和装しかしない五右ェ門が私物で革靴などを持っているはずもないし、今から買いに走るのでは時間が遅れて計画に支障が出てしまう。

「次元、お前、他に革靴持ってるか?」
「あるけどよ、俺ので大丈夫なのか?」
「さぁ、わかんねぇ」

 五右ェ門、お前靴のサイズは?
 ルパンが問えば、不機嫌そうな侍の眉間に更に皺が寄る。

「…足の大きさはおおよそ八寸九分でござる」


「「わかんねぇよ! メートル法で言え!!」」


 思わず俺とルパンの声がハモるのも無理はないと思う。
 そして。

「…大体26.5センチ前後ってとこか…?」

 寸尺法からルパンが計算しなおしたところによると、つまりはあまり俺と変わらないくらい。

「じゃあとりあえず履いてみろよ」

 差し出した革靴を嫌そうに見つめながら、渋々履く五右ェ門。

「…小さい…」
「は?」
「え、でもサイズはほとんど変わらないんでしょ?」
「長さはよいが幅があわぬ」

 曰く。
 つまり足幅は五右ェ門のほうが広い、ということだろう。日々草履なんていう健康的なものを履いている野生児には、細身で長い革靴のフォルムそのものが窮屈らしい。

「でも、歩けなくはないだろ? 立ち回りとかには支障出そう?」
「…そこまでではないが…それに支障が出るといえばこの恰好は全て支障が出る」

 浮かない顔。ただでさえ窮屈な洋装を強いられている上に靴までもサイズがあわないときたのだから。不機嫌になるのも仕方ないだろう。

「ほんっと悪い。今度までにオーダーメイドで靴用意しとくからさ、今日だけは次元ので我慢して? ね?」
「…仕方あるまい」
「………悪かったな、俺ので」

 ルパンと五右ェ門の会話を聞きながら、何故だか負けた気がする俺だった。



身長もほんの2cmですけど負けてますしねv
ちなみに五右ェ門次元の足のサイズは捏造ですので悪しからず。
日本人男性に一番多い足の大きさが26.0cmなんだそうです。

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