11.16.03:27 [PR] |
07.29.00:00 7/29 孤立 |
(お題についての詳細はこちらをご覧下さい)
お題:孤立
・ルパン様の独白調
・短めです
・というかお題が難しかったんです…今はこれが精一杯…←
OKでしたら追記へどうぞ
「ルパーン! もう逃げ場はないぞ、諦めて大人しく出て来い!」
「…ったくとっつぁんもしつけぇよなぁ」
夜の闇を切り裂く強烈なサーチライトの光に顔を顰めながら、ルパンは小さく唇の端を上げた。逃走劇の末に逃げ込んだ山奥の廃屋は今にも崩れ落ちそうで、もし警官隊が強行制圧に乗り出せば建物自体が耐えられそうにはないほどだ。ぼろぼろの床を踏み抜かないよいうに慎重に進みながら、銭形たちの出方を伺う。
「…にしても今回ばかりはちっとやべぇかな? 俺としたことがとんだドジ踏んだもんだゼ」
じくじくと血が滲み痛む肩を押さえ、ルパンはまた小さく笑った。思わず弱音が零れるのも無理はない。
いつもなら切り抜けられる程度の包囲網。だがいろいろな不運が重なった。仕事自体は上手く行ったものの、いつも以上に周到な銭形の包囲網に阻まれて逃げる途中で次元五右ェ門とははぐれてしまった。唯一の頼りであるワルサーにも残弾は数えるほどしかない。おまけに怪我を負ったのは利き腕ときている。
まさに満身創痍、孤立無援。このまま留置場にぶち込まれるのも、もはや時間の問題に思えた。
「…そういやあいつら、無事に逃げ切れたかなぁ」
ふと、途中ではぐれた次元と五右ェ門の顔を思い返して、そしてそんな自分に苦笑する。この後に及んで自分よりも仲間達の心配が出来るのだから自分もお人よしというか何と言うか。
昔の自分なら考えられなかったことだ。仕事で他人と組むことはあっても、そんな風に思いやることなど決してなかった。決して他人を信じすぎるな、頼れるのも信じられるのも己のみ。けれど彼らと仕事をするようになって、そして外で延々と説得を試みようとしている男に追いかけられるようになって、少しずつ自分が変わっていくことに気付いていた。
「…誰かを信じるってのも悪くねぇもんだよな」
そのとき、ずっと交信の途切れていた通信機から雑音交じりの通信が入りだした。
『…ガ…ガガ…ザザッ…パン…おい、ルパン!…ぉぃ…ルパン…!?』
「おー、次元か?」
『お前、大丈夫か!?』
「俺はまぁそこそこ大丈夫よ? お前こそ大丈夫かよ? んな声出しやがって」
通信機越しの次元の声はかなり切羽詰っている。
『俺も五右ェ門も無事だよ。…それよりお前のほうがかなりまずい状況だな』
「あらなんだ、どっかから見てるの?」
『待ってろ今助けに行く。おい、五右ェ門、行くぞ』
『承知』
がたがたと通信機越しに準備をする音が聞こえる。
「あんがとよ、じゃあ待ってるぜ」
『おう、待ってろ』
通信機に向かって笑うと、次元も低い声で笑った。不思議と、さっきまで感じていた不安はどこかへ消えていた。
「ルパン! 投降する気にはなったか!?」
拡声器を使わなくてもよく通る銭形の声が、ルパンが身を潜めるところまで届く。
「…悪いけどどっつぁん、まだ俺は捕まるわけにはいかねぇんだよな」
その言葉に小さく呟き返しながら、ルパンは不敵に笑った。どんなに孤立していても孤独ではない。独りではない限りには諦めるわけにはいかない。
「さぁて、大脱走劇の始まりだ!」
なんというか申し訳ない…言い訳ですけどこのお題難しかったんです…
明日も難しいんです…(泣)
でもがんばります(ノд<。)゜。
読んでくださってありがとうございました!!
- トラックバックURLはこちら