11.15.20:27 [PR] |
08.02.00:00 8/2 電波 |
(お題についての詳細はこちらをご覧下さい)
お題:電波
・ル次
・甘め
・心配性の次元さん
OKでしたら追記へどうぞ
『おかけになった電話は、電波の届かないところにあるか電源が入っておりません…』
いい加減に聞き飽きたメッセージに舌打ちをし、次元は乱暴に電話の通話ボタンを切った。
「ったくあいつはどこで何をしてるんだ!」
仕事中だとか逆に完全にプライベートな時間だったのならばたかだかどうということもないが、今回ばかりは少し様子が違った。煙草を買いに行って来る、と言ってルパンがふらりと出掛けて行ってから早くも3日が経とうとしている。途中で何か厄介ごとに巻き込まれたのは明白だが、電話はおろかメールにも返信はない。それどころかルパンが身につけているはずの発信機の類も全て反応がないのだ。それでもう3日である。
「くっそ、どうなってやがるんだ」
居場所が分からなければ何かあったのだとしても助けに行くことも出来ない。やり場のない焦燥感だけが膨らんでいく。
苛々と咥えた煙草の端を噛み潰し、山盛りになった灰皿に煙草を押し付けたそのとき。
♪~~~~
それまで沈黙を保っていた携帯電話が突然鳴り始めた。
「はい…ルパン!? お前今まで何を…」
『いやぁ、悪ぃ悪ぃ~ちょーっくら厄介ごとに巻き込まれちまってさー』
電話口から聞こえてくる声はいつもと変わらない飄々とした声色。背後に銃声や爆音が聞こえるでもなく、至って平穏そうだが。だが連絡もなしに3日も行方不明だったのだ。
「ちゃんと説明しろ。今までどこで何してた? 何があった? 今どこにいる?」
『ちょっとちょっと、次元ちゃんてば落ち着きなさいって』
捲くし立てるようにして矢継ぎ早に問えば、逆に焦ったようなルパンの声。
『にしても随分な剣幕だコト。俺様のこと心配してくれてたの??』
「そんなんじゃねぇ。何でもっと早く連絡してこなかった」
『いやそれがさぁ、なんとかってマフィアにとっ捕まっちまってたんだけっどもよぉ、この建物ってのがことごとく電波を遮蔽しちまうっていう面倒なシロモノでさぁ』
なるほど。携帯電話はなにかあった時点で没収されているかもしれないという予想はしていたが、これでそれ以外の発信機の類も音信不通になった理由がわかった。
『あ、でも俺はちゃーんと次元ちゃんからの電波受け取ってたんだぜぇ』
「は?」
『俺のことメチャメチャ心配してくれてただろ? もうびんびん俺様のアンテナには届いてたぜ~だから頑張って脱走しちゃったもんね。それにしてもろくに寝もせず飯も食わずに煙草ばっかり吸ってたら身体壊すぜ?』
「…なにぬかしてやがる。いいからさっさと帰って来い」
「…もう帰ってきてるけど?」
突然。電話で話していたはずのルパンの声が、電話口からとすぐ傍とで二重になって聞こえた。
「ル…」
「ただいまー次元ちゃん♪」
慌てて振り返れば、視線の先にはいつの間に部屋に入ってきたのかいつもと変わらぬ姿で立つ男。
「お前、いつの間に…」
「嘘はよくねぇぜ次元。そんなに灰皿山盛りにして、その上目の下にクマ作っといてよく言うぜ」
くすくすと笑いながらルパンが次元の帽子の下を覗きこむ。
「何か反論は?」
「…ねぇよ、莫迦。心配掛けやがって」
電波というかもはやテレパシー。
パースリに不二子ちゃんとテレパシーな話がありましたね。
次元さんとだってきっと出来るよ(*`д´)b
最後まで読んで下さってありがとうございました!!!
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