11.15.19:00 [PR] |
08.21.00:00 8/21 主導権を握る |
(お題についての詳細はこちらをご覧下さい)
お題:主導権を握る
・ル次
・ルパン様がちょっと鬼畜気味です!!
・若干痛い表現含まれます!!
・制限はかけませんが苦手な方はご注意下さい!!!
OKでしたら追記へどうぞ
静かな部屋に時計の針が時を刻む音だけが響く。それと同じテンポでコツコツと床を小さく踏み鳴らすルパンの靴音。何本目になるだろう火のついた煙草からは癖のある煙が部屋を充満させていく。
「…俺様が一番嫌いなことを知ってるか、次元」
低い声が俺を呼ぶ。思わずビクリと身体を竦め、そんな次元の様子にルパンが小さく舌打ちしたのが聞こえた。
「なぁ、次元」
ゆらりとソファから立ち上がったルパンが次元に近寄ってくる。逃げ出したい衝動に駆られるが、そんなことをしようものならルパンの怒りの炎に油を注ぐだけだけだということも知っている。
「なぁ、次元」
目の前に立つルパン。その目は狂気にも満ちた怒りを湛え、そのくせ静かに次元を見据える。
「俺が一番嫌いなことを知ってるか?」
「……」
答えられない。いや、この場合どういう風に答えてもルパンの怒りが収まることはない。だからひたすらに沈黙を守る。
「なぁ、分かってんだろ? 答えろよ」
三度同じ台詞を繰り返し、すうっと伸びてきたルパンの手が、無造作に次元の腕を取った。
「ぅぁ…っ!!」
ぎゅうっと腕を握られ、苦痛に顔が歪んだ。ルパンの手の下、次元の腕に巻かれた包帯がじわりと赤く染まった。
「痛い?」
必死に唇を噛み声を殺す次元に、ルパンは冷たい視線を向ける。
「俺がいつ、怪我していいなんて言った?」
「…っ…」
「俺がいつ、俺を庇っていいなんて言った?」
「…ルパ…」
「なぁ、」
答えろよ。
黒い眼が次元を見据える。怒りで燃えるその瞳の奥にほんの少しの哀しみが交ざっていることに、しかし今の次元は気付けない。ようやく手を離され、次元は床に座り込んで苦痛に粗い息をつく。滲み出した脂汗が額を伝って床に落ちた。
「俺の一番嫌いなことはな」
座り込んだ次元のネクタイを引き、苦痛に喘ぐ顔を上げさせる。包帯に滲んだ血が滴って落ちた。
「俺の主導権からお前が外れることだ」
次元の脳髄に流し込むようにして耳元で囁く。
「お前が俺の意に染まないことをすることだ」
分かるか? 囁き続けられる言葉が媚薬のように次元の身体を侵していく。
「分かるか?」
もう一度問われ、しかし答えられないでいる次元は小さく喘ぐばかりだ。
「覚えとけよ、次元」
ニヤリ、と悪魔のようにルパンが笑う。
「お前はいつだって俺の手の中にいればいいんだ…なぁ? 次元?」
苦痛に支配され遠のいていく意識の中で、それはまさに悪魔の囁きだと思った。
病み気味?
なんかラブいル次もいいんですけど、たまーにこう狂気じみたのが書きたくなるんですよね…
ルパン様の凄みというか怖さというか…微塵も出てませんけどorz
最後まで読んで下さってありがとうございました!!
- トラックバックURLはこちら