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08.27.00:00 8/27 心頭滅却すれば |
(お題についての詳細はこちらをご覧下さい)
お題:心頭滅却すれば
・ル+五
・仲間になりたてのツンツンゴエさんのイメージでお願いしますm(_ _)m
OKでしたら追記へどうぞ
「火もまた涼し、だ。全ては気の持ちようだろう?」
「んなこと言ってもよぉ、暑いもんは暑いだろっが」
アイスキャンデーを咥えてだらーっとだらしない恰好で縁側に伸びるルパンに、五右ェ門が苦言を呈す。
立秋を迎えても一向に涼しくなる気配はなく、毎日暑い日が続いていた。
「お前、暑くないの」
「今日は風がある。過ごしやすいほうだ」
「あそー…」
襖を開け放した部屋の中で、すっと背筋を伸ばして平然となにやら書き物をしている五右ェ門を見やり、ルパンはまた大きく溜息をつく。溶けたアイスがぽたりと床に滴った。
「お前さー疲れねぇ?」
「何がだ」
「そんなストイックにして」
「…心を乱されることは修行に一番差し障る」
「あそー…」
目の前に座る男がダイヤモンドもびっくりの堅物だということを忘れていたわけではないが、あまりに真面目な返答に、ルパンのほうが疲れてしまう。
暑い寒いはもちろん、嬉しいも哀しいも楽しいも悔しいも滅多に表現しない侍。時々、この男の心の中を覗いてみたいと本気で思うことがある。
「なー五右ェ門」
「何だ」
「アイスもう1本ちょーだい」
「…好きにしろ」
食べ終わったアイスの棒を咥えたまま、ルパンは台所へと足を向ける。その途中で。
「わっ!!!」
机に向かう五右ェ門の背中に突然飛びついた。驚いたのは五右ェ門のほうで、机の上の硯をひっくり返してしまってあたりを真っ黒にしてしまった。
「何をする!! 危ないではないか! それにくっついて来るでない、暑苦しいのだ!」
「…やっぱ暑いんじゃんかよ、お前も」
刀に手をかけて激昂する侍に、ルパンはへらへらと笑う。
「…え?」
「それぐらい素直な方がいいとおもうぜ? 俺はな」
にかっと笑って鼻歌交じりに台所へと向かうルパンの背を見ながら、五右ェ門は呆気にとられるしかない。
「心頭滅却したってしなくったって、火が熱いもんだってのはこの世の終わりまで変わらねぇよ」
冷蔵庫の開く音とともに聞こえてきた言葉を五右ェ門はしばらく反芻し続けたのだった。
ルパン様とゴエという組み合わせもおもしろくて好きです。
でもこの2人って決して交わることのない次元(大介さんではなくて、二次元三次元の次元ね:笑)にいる気がするんだよなぁ~
違いすぎてお互いにいろんな発見があればいいと思うv
最後まで読んで下さってありがとうございました!!!
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