11.16.05:36 [PR] |
08.28.00:00 8/28 熱 |
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お題:熱
・次五
・風邪っぴきゴエさんと看病次元さん
・短いです
OKでしたら追記へどうぞ
「38.8℃か…」
目の前に掲げた体温計の表示を見て、次元は小さく苦笑する。
「なんで黙ってた、随分しんどかっただろう?」
「…明後日には仕事が控えておるのに倒れておる場合ではなかろう」
ベッドに埋もれてか細い声で答える五右ェ門。白い肌は薄っすらと赤く染まり、見上げた視線はどこかとろんとしていて覚束ない。
あまりに色っぽい姿に思わず生唾を飲み込みたくなる次元だが、さすがに9度近い熱がある病人をつかまえてそんなことをするわけにもいかない。元々平熱が低めの五右ェ門だ。この熱では意識も朦朧としているはずである。それでも次元が指摘するまでそんなそぶりなど一切見せていなかったのだから、なんという精神力であろうか。
「後で粥でも持ってきてやるから薬飲んどけよ。夏風邪だ、寝れば治るだろ」
「…かたじけない」
熱い息とともに苦しげに呟いた五右ェ門の頬にそっと手を伸ばすと、ほんの少し五右ェ門の表情が和らいだ。
「あぁ…気持ちよいな」
「俺の手が冷たく感じるようじゃ相当重症だな」
少し汗ばんだ額に手を乗せると、猫のように顔を摺り寄せてくる。
「ちょっと待ってろ。冷やすもの持ってきてやる」
「次元…」
立ち上がりかけた次元のスーツの裾を五右ェ門が弱々しく引いた。
「何だ」
「しばらく…」
ここにいてはもらえぬか。
消え入りそうな声で懇願され、次元は思わず唖然として五右ェ門を見下ろす。普段の五右ェ門なら絶対に口にすることがないだろう甘えた言葉。
「…どうした、やけに素直だな?」
「…そうか?」
またとろんとした目が見上げてくる。揺れる黒い眼に誘われるようにして次元はベッドの脇に座りなおし、五右ェ門の耳元へ顔を寄せた。
「お前が寝るまでここにいてやるよ」
長い髪を梳くようにして撫でてやる。
「…かたじけない…」
囁くようにして呟き目を閉じた五右ェ門を見つめながら、次元は小さく口元を緩めた。
体調が悪いと誰だって人恋しくなるもんでしょうね。
どっちが熱出して甘えても萌える!!←
最後まで読んで下さってありがとうございました!!!
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