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某泥棒三世を愛する管理人による日々語り。腐的内容を含むことがあるので、ご注意ください。
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11.16.01:05

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  • 11/16/01:05

07.21.01:30

7/20 海

365日のお題【7/20】です。
(お題についての詳細はこちらをご覧下さい)

お題:海

・めっさ久しぶりの次五です
・ちょっと短め

OKでしたら追記へどうぞ
 



 空と海の境目というのは本当に分からなくなるものなのだと思った。
 天上から海の底まで。雲ひとつないおかげで、青のグラデーションは見渡す限りにどこまでも続いている。まるであらん限りの青い絵の具の入ったバケツをひっくり返したようだと思った。深い深い青の世界に吸い込まれてしまいそうになる。

「…綺麗だな」

 同じことを思ったのだろうか。隣に立つ侍がそう呟いたのが聞こえてきた。
 少し離れた眼下には海水浴場があり、カラフルな水着を着た人々がわいわいと騒いでいるのが見えたが、自分達のいるこの崖の上にはそんな喧騒も届かない。
 遮蔽物のない崖の上の日差しは強く、気分はまるでグリル焼きにされる魚だ。次元は捲り上げたシャツの袖で流れる汗を乱暴に拭った。だが、先ほどよりも出てきた潮風のおかげで少しは耐えれるものになってきた。潮風に侍の髪が揺れる。

「泳ぐか?」
「いや、それよりは魚でも釣らぬか」

 今日のおぬしの夕飯のおかずがないのだ。
 真顔でそんなことを言われ、次元は「ははは」と嗤った。そういえばこいつの修行生活はいつも自給自足だったっけ。そんなことを思い出す。

 最後に会ったのがこの前の仕事のときだったから、かれこれ3ヶ月近くになるだろうか。あまりに音信不通、近況報告のメールの一通も送ってこない侍に業を煮やして押しかけたのが数時間前。始めこそ次元の来訪に『修行の邪魔だ』と、あまりいい顔をしなかった五右ェ門だったが、「近くまで来たから寄っただけだ、明日には帰る」と言って手土産の梅干と日本酒を差し出せば、不承不承次元を招き入れた。食い物につられたのか。それとも、もしかしたらやっぱり寂しかったのかもしれないな。そんなことを思ったが、侍がそれを素直に口にすることはないだろう。今までもそうだったし、これからだってきっとそうに違いない。

「待っておれ、今小屋から竿を持って参ろう」

 そう言って踵を返しかけた五右ェ門の袖を引いた。

「何だ?」
「もうちょっとここにいろよ」

 もう少し、この風景を一緒に見ていたかった。
 一瞬怪訝な顔をした五右ェ門だったが、素直に歩みを止める。その身体をいきなり抱き寄せた。

「…暑い。何をする」

 唸るようにして侍が抗議する。

「それに誰かに見られでもしたら…」
「誰も見るもんか」

 海水浴場からは距離があるし、下からは見えない位置だ。

「…寂しかったんだって。たまにはメールくらいしてこいよ」

 決して素直ではない恋人を素直にさせる方法は、まず自分が折れることだと、この長い付き合いの中で次元は学習していた。さらりと口にすれば、腕の中の侍の抵抗がやんだ。

「…そうだな」

 小さく返された言葉に笑みを零し、次元は唇を落とした。
 境目の分からない海と空のように、自分達も早く融けあってしまいたいと思った。



半年ぶりくらいの次五。
でも自分で思っていたよりは意外にすんなり書けたというか…
やっぱりたまに書くと楽しいなー

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