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08.16.00:00 8/16 うかつ |
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お題:うかつ
・ル+次+五
・喧嘩しててもじゃれてるようにしか見えません
OKでしたら追記へどうぞ
「俺様としたことが…うかつだった……」
昼下がりのアジト。その台所でうなだれるルパンの姿があった。
「どうした? ルパン」
その姿に気付いた次元が声をかける。
開いた冷蔵庫のドアは開けっ放しで、その声にこたえることもなく立ち尽くすルパンの姿は一種異様な雰囲気すらもかもし出していた。
「おい?」
ひょいと肩越しに覗き込んだ冷蔵庫の中はほとんど空。冷えたビールとチーズ、それに調味料の類がいくらかあるばかりだ。今日は買い出しに行かないといけないだろうな、なんて考えていると、ルパンがボソリと呟いた。
「…お前か?」
「は?」
なんのことだかわからない。ボルサリーノの下から怪訝な顔で見上げた次元の胸倉を、向き直ったルパンが突然掴みあげた。
「次元ー! お前が俺のピザ喰ったんだろうが!?」
「ちょ…え? 待てよルパン!」
慌ててその手を振りほどき、まだ掴みかからんばかりの勢いのルパンから距離をとる。もちろん次元にそんな覚えはない。大体冷蔵庫にピザが入っていたことすら今ルパンに告げられて知ったのだ。そんなものをどうやって食べるというのだ。
「知るかお前のピザなんてよ!」
「嘘付け! 他に誰が喰うっていうんだよ!」
「俺じゃねぇ!! 大体名前書いてねぇのが悪いんだろうがよ! そんなに喰われたくねぇんならそれなりの対策をしろってんだ!」
「う…確かに俺はうかつにも箱に名前を書き忘れたが、だ! 自分の覚えがないもんを喰うときには一声掛けてくれたっていいだろう!?」
「だから俺じゃねぇってんだ!!」
「だから! 誰が他にピザなんて喰うかってんだ! 五右ェ門が喰うわけねぇだろ!?」
殺気すら漂わせて今にも拳銃を抜かんばかりの勢いでにらみ合う2人。食い物の恨みは恐ろしいのである。
「…騒々しい。どうしたというのだ?」
その騒ぎ声を聞きつけたのか、五右ェ門が眉間に皺で台所に姿を現した。
「五右ェ門聞いてくれよ! こいつが俺のピザを勝手に喰いやがったんだぜ!?」
「俺じゃねぇって言ってるのに信じようともしねぇんだこいつ!」
「…2人同時に喋るでない。拙者は聖徳太子ではござらぬぞ」
渋面で2人を諌める五右ェ門が、ふとルパンに視線を向ける。
「…今ピザと申したか」
「そうだけっど?」
「…冷蔵庫にあったものか?」
「うん、そう」
その答えを聞いた途端、五右ェ門の顔が見る見るうちに困ったような顔になっていく。
「おい、五右ェ門、まさかお前…」
「ルパン、すまぬ。昨夜あまりに腹が減って…な…何も他になかったゆえ背に腹は変えられぬと…」
拙者が食べた。
「「お前かー!!!」」
だんだんとか細く消え入るようになる五右ェ門の声は、しかし2人の叫び声に掻き消されてしまった。
「俺様としたことがうかつだったぜ…まさか五右ェ門がピザを喰うなんて…これからは次元だけじゃなくて五右ェ門にも気をつけなきゃいけねえのかよ…」
食い物の恨みは恐ろしい…
家族サービスに時間を取られて低クオリティになってしまいましたorz(言い訳www)
最後まで読んで下さってありがとうございました!
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