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09.06.00:00 9/6 スキャンダル |
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お題:スキャンダル
・ル次
・ファーコン設定シリアス風味
・馴初め話…かな…
・ここから数日間は続き物になります!!
それでもOKでしたら追記へどうぞ
「待てよ」
仕事の仕込みだと言って意気揚々と出かけようとしていたルパンを、次元が不機嫌そうな声色で呼び止めた。
「何、次元ちゃん?」
「…何度言ったら分かる? "ちゃん"はやめろ」
機嫌の悪さを隠そうともせずにじろりと帽子の下から睨みあげる男に、ルパンは意に介した様子もなくケタケタと笑った。
「おー機嫌の悪いこと。で? どったの?」
「…これ」
差し出したのは下らない三流ゴシップ新聞。芸能人や有名人の離婚だの不倫だので埋まったその記事の中に、一際目を引く大きな記事が載っていた。
『R国王女お忍びで婚前旅行か!? お相手は謎の青年実業家!!』
「お前だろ?」
物陰から取られたのだろう不自然な構図の中の写真。ブロンドの女性と仲良く歩いている背の高い男の姿をさして次元が問うた。
もちろん変装した姿だ。普通の人には2人を並べて見たところでそれが同一人物であるとは微塵もわからないだろう。だがいくらコンビを組むようになって日が浅いとはいえ、そこはルパンの"相棒"である。不鮮明な写真に写るその姿だけで、それが目の前に立つ男だということを見抜いていた。
「よく分かったねぇ~俺様渾身の変装だってのに」
「なんでこんなことしてる」
確かにR国王女は次のターゲットだった。彼女が前国王から譲り受けたという国宝を盗み出すことが次の仕事なのだ。しかしルパンから聞いていた仕事の計画の中にこんなことは入っていなかった。
「計画が違うんじゃねぇのか」
「ん~? だってその子すっげー美人だったんだもん♪ 男なら興味出すのが人情ってもんでしょう」
へらへらと笑うルパン。これから出かけるのも、その王女の元へ行くつもりだったのだろうか。
「醜聞は王室を混乱させるいい手段よ?」
どこまでが本気なのかわからないにやけ顔。次元は自分の中で苛々と不の感情が高まっていくのを感じていた。
「…じゃあなんで俺に言わなかった。勝手にへらへら遊び歩いてるんじゃねぇよ」
硬い声で言い募る。なんでこんなに苛々しているのか自分でもよくわからない。
「何、お前妬いてるの?」
「はぁ? いい加減にしろよ、なんで俺が」
キョトンとした顔でそんなことを言われそれを鼻先で笑って言いながらも、次元はルパンの言うことが真実なのだと思っていた。"相棒"だと信じていた男から知らされていなかった事実。疎外感。虚無感。全ての感情をまとめて名前をつけてしまえば、きっとそれは嫉妬という名を持つのだろう。
「…とにかく勝手な行動はするな、仕事の前だ」
「…女遊びまでいちいちお前に報告しなきゃなんないのかよ?」
ぶっきら棒に告げた言葉。今度はルパンまでもがむっとした表情になった。
「仕事が絡んでるんだ。勝手に計画を変えるんじゃねぇ」
「俺が全部計画立ててるんだ。お前は言われたとおりやってればいいんだよ」
「ふざけんな、俺をなんだと思ってやがる!」
堪忍袋の緒が切れた。次元はルパンの胸倉を掴みあげると壁際に押し付けた。
次元を『相棒に』と望んだのはこの男のほうだ。その熱意にほだされたからともに仕事をするようになった。自分はこの男に絶大な信頼を置くようになっていたというのに、この男は自分の事などどうでもいいと思っているのか。そう考えるとはらわたが煮えくり返るようだった。
俺はお前のなんなんだ。まるでヒステリーの女のような台詞が口から飛び出しそうになるのをかろうじて堪える。
「…ぁーあ…」
ふっとルパンが小さく溜息をついた。どこか遠くを見るような目で次元を見上げてくる。
「なんだよっ…」
「…お前を相棒にしたの…間違えたかなぁ…」
時間が、止まった。
完全に見切り発車した感が否めません…が、頑張るよ、ちゃんと完結できるように頑張る、よ…(*/□\*)゜゜・。
最後まで読んで下さってありがとうございました!!
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